エンゲル係数21年ぶり高水準! 所得が伸びず 食料品高、物価上昇時代に備える家計とは?

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エンゲル係数を見ると生活水準が分かる?

生活水準を測る指標のひとつにエンゲル係数があります。簡単にいうと、生活のために使ったお金(消費支出といいいます)の中で、食料費がどのくらいウェートを占めているかで、家庭のゆとり度合いを示し、家庭の生活水準がわかるというもの。
エンゲル係数計算式

収入が少ない家庭でも、食費はそれなりにかかります。食べていかないと生きていけませんからね。また収入の多い家庭では、どうでしょうか?収入が倍になっても、食費は倍にならないでしょう。なぜなら人間が増えて食べる口が増えるわけではないですし、所得が2倍になったから2倍食べるわけでもないからです。
必然的に収入の多い人(世帯)は食費のウェートが低く、収入の少ない人(世帯)は食費のウェートが高くなります。

これを数値として表すことで生活水準を測ることができる指標がエンゲル係数です。

ただしこの指標は以前ほど、重要視されていません。なぜなら、外食の多い人(世帯)は必然的に食費が高くなりますし、農村部に住み、米や野菜等を自家栽培している場合、食費は少なく、エンゲル係数は小さくなります。
同じ食費といっても、比べる土俵が違えば比較対象にならないですよね。このように色々な問題点があり、絶対的な指標とはいえないまでも、今なお一定の重要度をもっています。今回は、そのエンゲル係数を使った家計管理を考えてみます。

日本のエンゲル係数が上昇している

総務省によると、2014年度平均で24・3%、1993年度以来、 21年ぶりの高水準になったとのことです。(総務省統計局HPより)エンゲル係数が上昇したということは、家計のゆとりがなくなり、それだけ生活水準が下がったということでしょうか?事はそう単純ではないようです。分析してみると・・・、

理由1:高齢者世帯の増加と消費減

エンゲル係数の平均値は、30代の世帯で23前後なのに対して、70代以上の世帯で26前後となっています。(総務省統計局HPより)高齢者世帯は年々増えており、エンゲル係数を押し上げる要因になっていくでしょう。そして2014年度は高齢者世帯の支出を抑える傾向が顕著に表れています。(総務省統計局HPより)

理由2:食料品高

円安傾向で食料や家畜用飼料の輸入価格が上がり、店頭価格が上がっているようです。14年度の消費者物価指数は消費増税分を含めて前年度比2・9%上昇しておりこのうち食料品の物価は4・4%上がっています。(総務省統計局HPより)

理由3:消費税率上げ

各家庭が消費増税で支出全体を抑える傾向が強まっています。特に、車や電化製品などの耐久材は、支出を抑える傾向が強まっているようです。

理由4:下落要因1収入増

収入が増加に転じています。今年4月の勤労者世帯の実収入は、前年同月比 実質2.0%の増加(総務省統計局HPより)となっています。収入が増える=支出を増やすというわけではないのですが、少なくとも消費支出を減らす要因にはなりませんので、エンゲル係数下落要因としました。

今後の予測

円相場や物価動向を予測することは困難ですが、家計を管理する上では、食費は年2%増加すると仮定しておけばよいでしょう。消費税については、政府が税率を10%に上げることを打ち出しています。生活必需品の税率を据え置く「軽減税率」の可能性もありますが、家計を管理する上では、2%上乗せすると仮定しておけばよいでしょう。
下にシミュレーションをしてみました。エンゲル係数がじわじわ上昇して(ゆとりがなくなって)いるのがわかりますね。
エンゲル係数予測シミュレーション

エンゲル係数を家計の管理に生かす。

上のシミュレーションでもお気づきだと思いますが、物価高による食費の支出増や、税金や社会保険の増加による支出増は、避けることができません。なぜなら、税金や社会保険料は強制的に徴収されるものですし、自給自足するのでなければ、高くても食料を買わなければいけません。ならば食費を削るといっても、健康的で文化的な生活をしようと思えば、おのずと限度があります。
自分の今後のライフスタイルを考えながら、家庭の適切なエンゲル係数目標を決めて、管理していくことが、重要だと考えます。

自分の年代で適切なエンゲル係数とは?

年代別のエンゲル係数目標を作ってみました。総務省統計局のデータより、各年代のエンゲル係数(実績値)を一つ下げた数値にしています。下げた理由は、食費を濫費せず上手に使っていくことが家計管理上、健全だと考えるからです。
エンゲル係数の年代別目標値
20代:この層は、働いて家庭を持ち一定収入を得ている人もいれば、学生で収入がほとんど無かったり、一人暮らしだったり、事情は人それぞれですが、総じてエンゲル係数は低めです。上の表では18から19としました。
30、40代(子育て期、小中高校進学期):子供への出費がかさむ時期ですね。上の表では21から23としました。
50代(大学進学期):大学進学期には一時的にエンゲル係数は下がります。上の表では40代より一つ下げています。
60代:60代前半は働いている人も多いのですが、段々収入が下がっていきます。また60代後半から年金を受給することになります。エンゲル係数は24から25としました。
70代以降:高年齢世代は年金生活者が多数を占めることから、消費支出が小さくなります、当然食費が占める割合も大きくなるため。エンゲル係数は上がります。24から25としました。

エンゲル係数目標を意識し、健全な家計運営を目指す

エンゲル係数目標を決めると今度は、実践ですね。実際の自分の家のエンゲル係数より、1ないし2低い目標値を設定してみて下さい。普通に暮らしていれば、何か工夫をしないと食費を減らせないことに気づいて、工夫してみようという気持ちが生まれます。

工夫例

外食を控える。例えば今まで月8回だったものを月6回にしてみる。
同じお菓子を買うのでも、割安な大きいパックの物を買っておき、一日の食べる量を決めてみる。
食べたいか買うというのでななく、一か月で全体の食費はこれだけと決めてみる。エンゲル係数目標23、毎月22万円使っているのであれば、22万円×23%=50600円となります。毎月50600円まで使えると決めて、生活してみる。

収入を増やす

支出を抑えることだけが目標ではありません。消費支出が増えれば、エンゲル係数は下がります。ただし、健全な家計という面で考えると「収入増を伴わない、支出増は危ない」といえます。
収入が増えないのに、支出ばかり増やしてエンゲル係数が下がったと喜んでも、意味はないわけです。
収入アップはもちろん望ましいのですが、簡単にはいきませんね。これは次の機会に譲りたいと思います。

まとめ

エンゲル係数についてお話していきましたが、家計を考えるうえで参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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