土地を有効活用したいと思ったら、最初に検討しないといけないこと。

「所有している土地をそのまま、すなわち更地のまま他人に貸したり駐車場にしているしているよりは、賃貸アパートやマンションを建てた方が、家賃収入が入るしよっぽど効率的です。」
どこかの会社のセールス文句みたいですね。確かに、経営能力があれば、土地を土地のまま賃貸するより、建物を建てて賃貸した方が効率的です。でも待ってください。建物を建てただけで安易に儲かるものなのでしょうか?世の中そんなに甘くありませんよね。
事前調査が不十分であったり、収支計画が甘く、建物を建てたはいいが、空室だらけで、借入金の返済もままならずといったケースも増えています。
そこで、今回は土地の有効活用を考えるにあたって、どんなところに注意しなければいけないか、概略をご説明したいと思います。

事前調査

ここに一番時間をかけましょう。

対象の土地の物理的調査

その土地はどんな場所ですか? 市街地、田畑、山林
自分の土地?それとも、奥様、子供の名義ですか?、
立地:立地はどうですか?平地?斜面?山林?
接道:道路に面していますか?
地形:四角ですか?それとも不整形ですか?

法律上、行政上の調査

建築できる建物は、都市計画法や、建築基準法の制限を受けます。対象の土地はどんな制限を受けるのかを調べる必要があります。
その土地が市街化調整区域で、希望の建物を建てることができないケースもあります。

市場調査

高齢者が多いですか?ファミリー層がが多く住んでいますか?それとも、ビジネス街に近く単身赴任のサラリーマンが住む(住みたい)と思っているところでしょうか?その土地の周辺は高所得者が住む、あるいは、低所得者が多いのでしょうか?

経済・税制調査

建物を建て、借り入れする場合、金利が上がれば収支や資金繰りに影響してきます。税制が変わって目論んでいた節税ができなくなるケースだってあります。よく検討しましょう。

事業計画、収支計画の作成

さて、ここまで来たら、次にすることは、事業計画、収支シミュレーションです。詳細は次の機会に譲るとして、今回は、どの点に留意すべきかを挙げたいと思います。

家賃、敷金、権利金の設定

事前調査で調べた結果を基に、家賃の設定をします。近隣の賃料相場を調べることになるかと思いますが、一番詳しいのは、地元の賃貸専門の不動産会社でしょう。またインターネットの広告でも調べることができます。広告の場合、あくまで貸主の希望賃料なので、そこを割り引く必要があるでしょう。
敷金は、将来借主に返さないといけないため、収入にはなりますが、収益(売上)にはなりません。
しかし返すまでの期間、預かった敷金を運用することはできますので、銀行預金やその他の金融資産で運用するとしたら得られる利息を収入に加えます。
権利金・礼金の相場は、昔は家賃の1~2か月分が常識でしたが、今は、権利金・礼金を受けとらないケースも増えています。

家賃の変動率の設定

無理な変動率を設定していませんか?更新時の家賃値上げと更新料の設定が難しくなっているケースが増えています。

金利・返済期間

建物を建設する際、借り入れする場合に、金利を考慮する必要があります。計画を立てる際には、余裕をみて実際借り入れする金利より高めを想定して計画を立てます。そして資金繰りに支障をきたさないかを検証する必要があります。

空室率の設定

最近の動向からして、全期間満室とするのは難しくなっています。最低5%程度の空室率を見込んでいた方がよいでしょう。
また、空室率を考慮しても資金繰りに支障をきたさないかどうかを検証する必要があります。

税金

固定資産税、都市計画税が毎年かかります。

管理運営費、保険料

管理運営を他人(専門会社)に委託するときは、管理運営費用を考慮する必要があります。保険料もかかってきます。

修繕費

毎月おこなう清掃、ゴミの収集、エレベーター点検などがあります。
定期的に行う、消防設備点検、貯水槽清掃、などがあります。
また10年単位で長期修繕計画を立てる必要があります。
例)10年目 外壁修繕工事、屋根防水工事
15年目 給水・設備修繕工事


これらの費用は、施工会社や、設計会社、管理会社に見積りを取るとわかります。
これらの費用を考慮して計画を立てる必要があります。

まとめ

建物を建てて有効活用するのはいいですが、将来金利が上がったり、人が入らなかったりで、借り入れの返済もままならない状態になってはいけません。私は賃料保証を受けるからいいよ、と言われる方、その賃料保証は見直し条項が入っていませんか?。仮に見直しされたとして採算があいますか?。極端な話、その会社が倒産した場合どう対処しますか?

◎損はしないけれどほとんど儲けがない。
◎賃料保証している会社だけが儲かる仕組みで、家主はリスクばかり負う
こんなことになっても困りますよね。

金利が今より1%上がったら採算があいますか?。いまの超低金利がずっと続く保障はありません。
これから少子高齢化がさらに進みます。限られたパイを奪い合うことになります。隣地に自分の建物より魅力的な賃貸住宅ができたら
借りる人はどちらを選ぶでしょうか?

土地活用はれっきとした経営です。ほっといたら儲かるものではないことを肝に銘じておきましょう。

 

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