劣後債に投資するリスクとリターンって? 劣後債投資に潜むリスク

今回は劣後債への投資について考えてみたいと思います。劣後債ってどんなもの?という方は、
一番下の「劣後債の仕組み」をご覧ください。

よく、劣後債は「預金より高い金利ですよ」「国債、社債より高い金利でお得ですよ」「債権を発行している銀行が万が一つぶれても政府が保証するから大丈夫ですよ」と、このような宣伝文句がうたわれています。しかし、そんなにうまい話があるのでしょうか? やはりここでもリスクとリターンです。リターンの影にリスクあり。今回は劣後債投資に潜むリスクについて検討していきたいと思います。

1.一番怖いのは発行体の破たん時のリスク
2010年にアイルランドの大手銀行が国有化されたときも劣後債4000億円が整理され元の価値の20%相当額の債権と交換されることになりました。
国内でも、2010年に日本振興銀行の破たん時にペイオフが発動され債権カットされた例があります。劣後債は債券よりも弁済順位が低く、破たん時には実質株式と同程度(つまり0)と思っておいた方がいいでしょう。上場または公開している会社であれば、株式は破たん前の段階で市場で売却は可能でしょうから、市場のないか又はあっても流動性に劣る劣後債は、売却可能性の面で劣ると言わざると得ません。
金融機関のセールスマンは自分の勤めている会社が潰れるとは思っていませんから、うちが潰れると思わなかったら買って下さいと自信満々にいいます。しかし一昔前の「護送船団方式」の時代はとっくに終わっています。荒々しい市場のただ中にあって、弱肉強食の金融の世界で絶対潰れないと言い切れるのでしょうか?。

○預金とちがい発行体のデフォルトリスクがあることの認識を持つ ~格付けを気にする。~
○できるだけ、信用性の高い発行体のものを買うべき。 ~リスクの回避~
○万が一の破たんにそなえ、そのようなリスクにさらしてもよいお金を投資する。 ~資金の性格にに応じた投資を~

2.換金性に劣るリスク
中途換金しようと思っても、思うように売れないリスクがあります。購入時に中途換金する場合について、詳細に説明を求めておくべきでしょう。
また、期中償還される場合があります。最近では下の住信SBIネット銀行は5年目以降繰上償還されない場合は大幅に金利が上がります。しかしこれまでの例を見ても、発行体がよほど資金難におちいらないかぎり、繰り上げ償還されないことはないでしょう。

劣後債に投資する資金は中途換金の可能性はありますか?
○中途換金する場合に手数料が多くかかったり、不当に安い値で買い取る条件になっていませんか?
○5年で繰上償還がありうる場合、最低5年間は資金を寝かしておけますか?

3.リターン:
相対的に金利が高いです。以下の事例をご覧ください。

最近発行された例です。

発行2013年7月
住信SBIネット銀行 第2回劣後債
利率:1.19%
期間:当初 5年 2013/7/30~2018/6/30
以降 5年 LIBOR+2.15%
格付:A-
最低購入金額:10万円~

新生銀行 第5回劣後債
利率:3.59%
期間:当初5年 2013/05/27~2018/05/26
以降 5年 5 年物円スワップのオファード・レート+3.00%
格付:BBB
最低購入金額:100万円~

-参考資料-
劣後債の仕組み:
「劣後特約」という、発行体の債務の中でデフォルト(債務不履行)があったときの債務の中で弁済の優先順位が、一般の債務や普通社債より低い(劣後する)条件が付いた社債のことです。
通常、債権の発行主体が債務不履行(つまり倒産)になれば、元本が額面どおり返済されません。倒産すれば価値が0(つまり紙くず)となるのがほとんどである株式と違い、債権者は残余財産から返済を受けることができます。劣後債は、会社のBS(貸借対照表)上の通常の債務や社債より返済順位が低く、倒産した場合の返済も後回しになるリスクがある分、利率が良くなっています。

劣後債の発行される理由:
劣後債の発行体は金融機関が多くなっています。これは、銀行経営の健全性を維持するための国際ルールであるBIS規制では、劣後債は一定限度まで自己資本に計上できることとなっており、自己資本比率を高め、経営の健全性を高めたい銀行にとって、劣後債を発行するメリットがあるからです。

 

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