財形住宅融資がどのくらい有利か
家を買う人が頭を悩まされることに、住宅ローンをどう組むかということです。もし、あなたが、財形住宅融資を組める方でしたら、財形住宅融資を検討してください。どのくらい有利かというと以下の表のとおりです。
種別 | 住宅ローンの種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
民間融資 | 銀行ローン | 銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、条件はそれぞれの金融機関ごとに異なる。商品性が多様 | 多様な商品性 | 借りる人への返済能力の条件が厳しい。融資審査によって借りられない、減額される可能性あり |
民間融資 | フラット35 | 住宅取得支援機構による証券化を利用している。長期固定金利型、金利は取扱金融機関により異なる。保証料や繰り上げ返済手数料が無料 | 長期(30年以上)の固定金利借り入れに有利 | 変動金利を利用できない。 |
民間融資 | 生保ローン | 生命保険加入者を対象にしたローン | 業者提携ローンの場合メリットあり | 対象が限られる。ローンに融通性を欠く場合もあり |
民間融資 | (ネット専業銀行) | 同じ民間ローンでもコストを下げられることから低金利を実現 | 通常の民間銀行ローンより有利 | 当初ネットで申し込むため、手続きが不便、ネットの取引安全性が社会問題になっておりそのあたり不安視する向きも |
民間融資 | ノンバンク | 住宅ローン専門会社(モーゲージバンク)、信販会社、クレジット会社が行っている。 | フラット35専門で扱っている専門会社の場合銀行窓口のフラット35より有利なケースが多い。 | 銀行より審査は緩いが金利や諸コストが高くつく。メインの融資で借りられない部分を補う場合に限定すべき。 |
公的融資 | 自治体融資 | 自治体によって制度の有無や詳細が異なる。直接融資、融資斡旋、利子補給などがある。 | 他のローンと組み合わせて使うと有利になるケースがある。 | 一定期間以上の居住条件または勤務していること、収入の上限枠内にあるなどの条件がある |
公的融資 | 財形融資 | 財形貯蓄を1年以上継続し、貯蓄残高50万以上の人が対象 | 負担軽減措置がある場合は、有利な借り入れができる。借入人の条件が緩やか | 要件を満たしていないと借りられない。対象物件への規制が多い。 |
公的・民間融資 | 勤務先の住宅資金融資制度 | 公務員の共済組合貸付、企業が金融機関と提携して一般より有利な条件で住宅資金を融資する制度 | 有利な借り入れができる。 | 勤務先の制度がない場合は使えない。 |
その他 | 親からの借り入れ | 自分の両親から借入れるもの。 | 返済条件、抵当権なしなど、親子関係ならではの、柔軟な条件設定が可能 | 場合によっては、贈与税を課される恐れがある。 |
金利がフラット35より低いのはもちろんですが、ネット銀行や、都市銀行・信託銀行・地銀の一番条件のいいケースに並んでいます。また、ネット銀行や他の銀行の場合、優遇金利が当初5年間というところがあるので、注意しないといけません。財形住宅融資は、5年経過した後も同じ条件で金利設定されますので、5年後比較した場合にさらに優位性がでてきます。
どんな人が財形住宅融資を受けれるのか
財形住宅融資とは
企業にお勤めで、財形貯蓄を一定期間、一定金額以上行っており、かつお勤めの企業から住宅取得の支援を受けられる方であれば、融資を受けられる可能性があります。

財形貯蓄を1年以上継続し、かつ申込前2年以内に預入し、かつ残高50万以上が条件となっています。財形住宅融資は「勤労者財産形成促進法」に基づいて企業が導入している福利厚生の一種であり、会社を通して加入しなければならず、個人加入ができません。財形貯蓄には「一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄」の3つの制度があり、いずれも財形住宅融資の対象となっています。
他留意点
勤務先から住宅についての負担軽減措置や住宅援助を受けられる方
借入申込日時点で70歳未満の方
年収に占めるすべての借り入れ(※)の年間合計返済額の割合(総返済負担率)が一定の基準を満たしている方
融資を受けることができる住宅・土地
新築購入、新築建設、土地購入、中古購入いずれも所定の条件のもとに融資可能
さらにお得になる。子育て世帯対象の優遇制度について
厚生労働省は、子育て世帯を対象とした、財形住宅融資の貸出金利を優遇する制度を作ると発表しました。2015年7月1日から、18歳以下の子どもがいる世帯には、当初5年間通常金利より0.2%低い金利となります。
2021年3月31日までの申し込みとなっています。
従来からあった、いわゆる「従業員300人以下の中小企業勤めの人対象の優遇措置」に比べ、子供がいる世帯を対象とした今回の優遇措置は、優遇を受けられる対象が幅広くインパクトがあります。住宅ローンを検討している人は比較してみることをお薦めします。
子育て世帯優遇制度でどれくらい安くなるのか
子育て世帯対象の優遇制度でどれだけ安くなるのか試算してみました。
借入金額 3000万円
借入金利 当初5年間0.98% ➡ 0.78% ▲0.2%
その後0.98%
返済方法 元利均等 ボーナス払いなし
借入期間 35年
団信 毎月払い
直接融資の場合
総返済額
3545万円 ➡ 3514万円 ▲31万円!!
月々返済額(10円以下切り捨て)
84400円 ➡ 当初5年間 81600円 ▲2,800円!!
5年目以降は、金利優遇が無くなる為、月々返済額は変わりません。
制度を利用する場合の注意点
今回の制度を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。
〇勤めている会社が、財形貯蓄制度を導入していること
〇通常の財形持家融資の融資条件を満たしていること。
〇18歳以下の子などを扶養する勤労者(勤労者の配偶者が扶養している場合も含む)であること
注意)中小企業勤労者貸付金利引下げ特例措置との併用はできません。
参考情報
子育て勤労者を支援するための貸付金利引下げ特例措置等
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000087078.html