マンション内の生活騒音トラブルに悩まされている、よくある事案とお薦めな解決方法はコレ

マンションの騒音トラブル トラブル
マンションの騒音トラブル

この記事は以下の方にお薦めです。

・マンション内の生活騒音に悩まれている方
・管理会社に相談して掲示警告したけど、改善しない
・そもそもマンションの構造上しょうがないとあきらめている人

分譲マンションで騒音トラブルに悩まされている人は多いです。

アパートや賃貸マンションに比べ、比較的防音性能が優れている分譲マンションでも、工事現場や、車のクラクション、工場から発する音、ペットの鳴き声、赤ちゃんの泣き声、子供が走り回る音、・・・音源には事欠きません。

また、音はいったん気になりだすと、日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。長期間にわたって騒音に悩まされると精神衛生上もよくありません。

ここでは、マンションの中での生活音等、よく住民同士でトラブルになる事案を取り上げ、音を出す相手に対して上手に対応する方法や、防音対策を具体的に説明いたします。

管理会社に苦情を言って掲示してもらったが改善しない、これは、掲示で事足れりとする管理会社の安易な姿勢です。掲示や告知をしただけでは解決しません。精神的被害を受けている実感があれば、是非解決に向けて手を打ってみて下さい。

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1.直接苦情を言う前の掲示配布での告知

上階から、ドスンドスン、ドタドタと走り回る音、扉をバタンと締める音、深夜の話し声、オーディオの重低音の響き、寝静まってからの洗濯機を回す音、

ああ、今すぐにでも文句を言いに行きたい!。その気持ちはわかります。でもちょっと待って下さい。

その音はほんとに上の階から聞こえてくるものですか?。 もちろんそうだ、と思うのですが、マンションで問題になる騒音には空気中を伝わる「空気音」、躯体を通じて伝わる「固体音」があります。固体音は、上下階や隣接住戸とは限りません。遠く離れた住戸からも伝わってくるものなのです。

空気音:オーディオ、話し声の音 → 壁を通してより、隣の窓から漏れた音が再度窓を通して聞こえてくることも多い
固体音:床で飛び回ってドスン、パタパタと走り回る足音 → 発生源を特定しずらい

なので、きっと上の階に違いないと思って、思い切ってクレームを言いに行ったら、その上階の人は音を出していなかった。ということも多々あります。最初から決めつけないことです。

こんな事例がありました。503号室から、上の音が響く、きっと直上階の603号室に違いない、そう思い、603号室に聞いてみると、なんと自分も騒音に悩んでいるとのこと、それでは、703号室に聞いたところ、自分のところではないとのこと、一体どこからくる音なのだろう。

一体どこの誰が出している音なのだろう?? こんなことになる前に、管理組合(窓口は管理会社の場合があります)に相談しましょう。そして、状況を具体的に説明し(いつ、どんな音が、どのくらいの頻度で等)掲示文や各戸配布で住民に告知しましょう。

掲示内容は、お部屋番号まで特定することはありませんが、「◎階付近の住戸の方から、夜10時くらいに、ピアノの音が聞こえるとの連絡があります。ご迷惑をお控えくださいますようお願いいたします。」等、音に関する情報は具体的に書き、最初は住戸は特定しない方がよいでしょう。
掲示よりも、各戸に投函する方が、受け取った側からするとインパクトは強いです。

2.話し合いで解決

掲示や投函でも状況が変わらないようであれば、可能性のある住戸に、管理組合又は管理会社から話してもらうとよいでしょう。

もし、その住戸の方とある程度人間関係があれば、直接お話ししてもよいでしょう。ここからは本人同士の関係になりますので、ここまでいっていいとか、遠回しに言った方がいいかなと思えばそうしてもよいですし、人間関係を損ねないように、対応してもらえばよいと思います。

★特に、記録していることを悟られない方がよいでしょう。音を記録することは盗聴と言われかねませんし、プライバシーの侵害を言い出しいかねません

お話しするときに気をつけたいのは、エビデンスを取っているぞとか、実際にメモやノートを見せながら、等は威迫的にも取られる可能性があることです。今後の人間関係に影響してくるかもしれません、マンション内のコミュニティで、悪口や評判は広まっていくものです、変な曲解をされないようご考慮ください。また、話し出すと感情的になることもあるかもしれませんが、そこは大人同士、理性的に解決に向かってほしいです。

相手も人間です。威迫や強制、抽象的な使用規則のような言葉より、お互い歩み寄って話し合うことで解決するのが一番です。

3.音の記録を取る

話し合いを進める上で大事なのは事実です。自分が受けた被害を記録して、相手に明確に示すことで納得のいく説明ができます。特に音は、口頭での表現や説明だけでは相手もわかりづらいです。下の内容を記録しておくとよいでしょう。

騒音計や記録デバイスを使用するとより効果的で、市販されています。また行政機関・市役所等で貸出されている場合も多くあります。

各行政機関の貸し出し状況は、サイト左下のAIチャットをクリックし、聞いてみてくださいね。

ノートに騒音を記録しておくと、先方の住戸や管理組合への説明時、役立ちます。
音がした日に書き留めておくと信憑性が高まります。
騒音日誌
以下の情報があるとなおよいです。
日毎の記録をする
1.音の大きさ(騒音計で何デシベルか記録するのがベスト)
2.音がする時間帯(上のように、音がした時間をマーカーしてもよい)
3.音の種類 (高音か低音か、ドスン、キー、コンコン、バタン等、)
4.音の発生場所 (リビング、ダイニング等)
週間または月間で記録する
●音の発生頻度(毎日、不特定、特定の時間、深夜)
●経過観測 (音が酷い時、収まっている時等)
●音による影響や被害(不眠、イライラ、集中が切れる、精神不安定)
●相手方との対話記録(本人・管理組合で対応した記録、掲示、投函日、掲示内容(写メ等))

音響調査の専門会社もあります。これは費用が掛かりますが、プロが行う調査はエビデンスとして強力でしょう。

4.理事会や総会で騒音問題を取り上げてもらう

年に何度かある理事会で、議題として取り上げてもらうことや、総会の議案外事項で説明し公知の問題にする手もあります。

理事会で取り上げ、議事録として配布すれば、組合員の間にも問題意識が芽生えます。また、総会の議案外事項で取り上げてもらえば同様の効果が期待できます。

また、3で記録した内容を理事会に提出した方が、より審議も深まるでしょう。音の問題は一住戸だけの被害にとどまらず、多数の住戸が被害者になり、また加害者になる要素があります。マンション全体で改善していこうという意識が高まれば、自分が加害者かもしれないと思う人もおり、取り上げただけで改善効果が期待できます。

騒音計などで客観的なデータを揃えていれば、より具体的に理事会へ説明ができるでしょう。

5.理事会に依頼して、アンケートを取ってもらう

4で理事会で取り上げてもらったら、理事会にアンケートを取ってもらうのも効果的です。アンケートを取ってもらう為には、一人からの報告だけなく、複数人からの同様の報告があった方が、理事会としても動きやすくなります。

騒音に関するアンケート:質問例
・最近騒音でお困りですか?
・お困りの音は、どのような頻度で、どのような音ですか?

アンケート結果を集計、データを分析することで、騒音の傾向がわかってきますので、対策も立てやすくなります。被害者加害者一対一という関係ではなく、マンション内の問題として解決できるアイデアも生まれやすくなります。また、アンケートに書くことによって、住民の騒音に対する意識を高める効果も期待できます。

6.マンション内コミュニティを上手に活用する

マンション内の住民同士でLINE等を交換していることも多いでしょう。こういったマンション内コミュニティを上手く活用し、会話の中にさりげなく騒音の話をしてみたり、最近では管理会社が用意しているマンション入居者専用のアプリの中の告知機能等、調べてみるのもよいかもしれません。

7.被害者側の騒音軽減策

これらは、被害者の側で行える技術的な方法ですが、間違えてはいけないのは、騒音を出しているのは他の人なので、自分が対策を行うのは、本末転倒なのです。色々手をつくしてもなお改善しない場合の対策だと考えて下さい。

リフォーム

騒音が、どこから聞こえてくるのかにもよります。天井であれば、天井裏の防音リフォーム、壁面であれば、防音壁を設ける、壁際の背の高い家具を置く、防音シートを設置する等の対策を講じることができます。

音を音でかぶせるマスキング

手っ取り早い方法として、騒音と同じ周波数の音のBGMをかける「マスキング」と言われる方法があります。実際に試してみると、かなり有効でした。同じ周波数の音が含まれていることが、効果的です。同じ音同士を混ぜ合わせることで、騒音を消してしまおうということですね。足音がうるさいなら、足音に似た音楽・・(タップとかですか(笑))、響く重低音なら、こちらも重低音のBGMを流す等、状況に応じて、かける音楽を変えてみたらどうでしょうか?しかし、BGMをかけることで、騒音を完全に消すことはできません。それに、相手が音を出しているのが原因ですからね。

8.訴訟では、勝てる見込みは必ずしも高くない

最終的な手段として、訴訟を起こすこともできます。しかし、訴訟を起こすことは、時間もお金もかかります。また、勝訴するのは容易ではありません。これは最終手段です。訴訟を起こす前に、他の方法を検討することをお勧めします。

裁判の場で、加害者の方から、こちらもできる限り努力はしているし、生活音ってだれしも出すじゃないですか、ゼロにするなんて無理です、等と言われたら、裁判官もなるほどそうかと、言い分を認める部分もあります。

・裁判で争ったもの同士が、近所で(同じマンションで)仲良く暮らせるでしょうか?
・裁判は最終手段で、できる限り話し合いでの解決が望ましいです。

9.被害者も加害者になり得る騒音問題

上下階や隣から音が聞こえるということは、自分も同じくらい、下階やお隣に音を出しているということも考えられます。他の住戸の音がうるさいのならば、他人からも、自分が出す音はうるさいと感じているのです。つまり、被害者も加害者になる可能性があります。

例えば、自分の部屋で音楽を聴いているときに、他の住民から苦情が来る可能性があります。生活音はお互い様だということです。生活をしている限り騒音をゼロにすることはできませんから

子育て世帯が多いマンションがあります。お部屋の中では子供が走り回っています。そのような住戸同士であれば、少々うるさくても、ああ、自分の家もそうだから我慢するか、という感じです。

少々生活騒音があったとしても、夜間や早朝は気をつける。挨拶やコミュニケーションを取って相手の家庭のことを理解するなど、マンションならではコミュニティを構築していき、お互い住みよいマンションにしていくのがよいのではないでしょうか?

直接クレームを言って、感情的な対立やシコリが残るのは避けたいです。少々リフォームしたところで、根本的な解決にはなりません。また、裁判を起こす等をして争ったら、後の人間関係はどうなるのでしょう。

騒音トラブルは、誰しも被害者になり得、また加害者にもなり得ます。お互い相手のことを思いやって話し合いつつ、譲れるところは譲ってよいコミュニティを構築し、資産価値も高めていきましょう。

最後まで読んでくれて、ありがとうございました。今後の運営改善に生かしていきたいと思います。感想、疑問、指摘などなんでも結構です。是非コメントをお願いします。(一番下です)

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