住民からピアノの騒音や振動のクレームをうけた理事会の対応

マンションの上階から聞こえてくる騒音に困った日本人の女性が、部屋の中で呆然としている トラブル

マンションの住民から、騒音の相談で多いのが、楽器の演奏、特に保有台数が多いピアノの演奏に関することです。
ピアノは、ペダルを使うことも多く、同時に振動についてのクレームも多いです。
今回は、ピアノの騒音の問い合わせをうけた理事会が対応できる方法について説明します。

この記事は、ピアノの音や振動がうるさいと相談を受けた、管理組合・理事会が、取れる効果的な対応方法について説明しています。

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理事会の立ち位置は公平

演奏を止めてもらうのができないんだとしたら、スタジオで使うような防音室に改装してもらうのが究極の解決策です。(ほぼ無理です)

しかし、専有部分を改装するかどうかは、その人自身の判断です。組合や理事会は強制することはできません。これを言っては身も蓋もないですが、・・・

また、「使用規則で、8:00~20:00まで弾けるようになっている」「周りに迷惑かからない程度に音を控えている」等と、言われてしまっては、どうしようもありません。ピアノを弾いている人だって、演奏を禁止されているわけではないのですから、言いますよね。

 

理事会の立ち位置は、管理規約や使用規則を守ってもらい、住民の生活を守るという、公平・中立さが求められます。
クレームを言ってきた人にも配慮しないといけないですが、どちらか一方の言い分だけを聞いて、肩入れすることはできないのです。

騒音問題への対応姿勢や方法はマンションにより様々

そして、騒音問題に対し、
① 「あくまで個人間の問題なので個人で話し合ってくれ」
という姿勢のマンションもありますし、一方で、
② 「住民の安寧を害するということで、積極的に介在し、問題解決にあたる」
組合もあり、対応スタンスは様々です。また、その時の理事の判断によることも多いです。

 

ピアノの騒音に関する理事会の対応策

ピアノの騒音問題は、「毎日一定時間に練習する」「本人が楽しんでいる」ことが多く、弾いている限り音が出る為、何らかの対策を打たない限り改善することができません。

匿名でクレームがあった場合

匿名であった場合、お部屋番号もわかりませんし、理事会も対応しようがありませんので、報告があったことを記録するくらいでしょうか。もし可能なら、住民に匿名でのクレームは受け付けない旨を周知しておいてもよいでしょう。

 問い合わせ内容の確認

ピアノの騒音に対するクレームを協議するまず、問い合わせ内容を詳しく確認します。問題のある騒音の具体的な内容や発生している時間帯などを把握することで、より適切な対応策を考えることができます。

どんな音が、どこからきこえて、どの程度、いつごろ、酷くなっているかどうか・・・etc

 

 騒音の原因の特定

騒音の原因がピアノ演奏であることを確認します。

注意喚起、警告文

何の騒音が、いつ頃、発生して、迷惑が掛かっているかを、掲示板に掲示します。第一段階として、オーソドックスな方法です。
警告文では、どのような被害を受けているか(眠れない、イライラ)を明示します。

警告するまでもないと判断した場合、住民同士の話し合いに任せる手も

相手が特定される場合、理事会が介在せず、住民同士の話し合いに任せるのも方法です。
ただし、てっきり直上階が音の発生源だと思って、直上階の方に話したところ、「私も困っている」と言われるケースもあります。
振動音は、発信源が特定できない場合も多く、住民全体に注意を発することになりますね。

会議や討議の実施

マンションの理事会で、ピアノの騒音に対するクレームを協議する理事会のメンバーで会議や討議を行い、問題の解決策を検討します。演奏者と話し合い、騒音を最小限に抑える方法を協議することも重要です。演奏時間の制限や防音対策の導入など、住民全体の利益を考慮した対策を検討します。

 

 

プラスα:要望者の理事会出席

クレームを言ってきた組合員に、理事会へ出席していただくのもよい方法です。
ただし、理事会に出席されたことは、議事録に残し、他の組合員にも知れることを了解してもらう必要もありますね。

プラスα:諮問機関の設置を検討

理事会の権限で、諮問機関を設置することもできます。

例)「音に関する生活マナー向上委員会」

実際ここまでされると、大抵の演奏者はビビります。また、理事会役員もそこまでしなくてもよいのではないかと考える例も多いです。
しかし、理事会議事録に、「諮問機関設置を検討している」と書けば、それだけでも、心当たりのある人は、気を付ける様になるでしょう。

通常、音の発信者の同席は難しい

演奏している人の理事会出席は通常難しい場合が多いです。もし理事会に出席していただけそうなら、相手も問題認識もあるということで、改善案を協議する良いチャンスです。

音の発信者の理事会出席がかなった時の事例

出席してもらえたら、話し合いが行えます。

相手の言い分も聞いてあげます。
●ちゃんと窓を閉めている ●音も大きくない ●禁じられているわけではない
そのうえで、妥協点を見いだせるか話し合います。
「時間制限を設ける」「防音リフォームを行う」等がそうです。
これで一旦妥協点が見いだせれば、議事録に記載する等、書面に記録を残しておきましょう。

住民への周知と意見徴収

騒音の問題を抱えているマンションの住民に対し、理事会の対応策や進捗状況を説明します。
アンケート調査をすること自体が問題意識醸成に役立ちます。

議事録での周知

理事会の議事を住民に周知している組合でしたら、周知することができます。
これは理事会の裁量ですが、「太字にする」「添付資料をつける」等が考えられます。

アンケート調査の実施

住民に「音(生活マナー)に関するアンケート調査」と題してアンケートを取ることも有効策です。★悩んでいる方がおられるのだなぁと思ってもらうだけで、騒音を控えようという意識づけになります。

対策の実施と経過観察

演奏者と住民の間で合意が得られるような調整を行います。住民の意見や要望を聞きながら、最善の解決策を模索します。

採用された対策を実施し、騒音の改善に努めます。演奏者と住民の関係や騒音レベルを定期的にヒアリングするなど、経過観察します。

該当住戸への申し入れ(事前準備のワンステップ入れる必要)

マンションの上階から聞こえてくる騒音に困った日本人の女性が、部屋の中で呆然としている文書での申し入れが一般的ですが、申し入れは正式な理事会として申し入れるのですから、事前の話し合いの場を設ける、通常の警告文での周知を経てなお、改善しない場合に行った方がよいでしょう。
客観的な証拠(どんな音が、いつ、どのくらいの期間続いている等)を入手しておきましょう。

 

役員が関係者にヒアリングするだけでも効果あり

問題が改善されても、その後放置すると元通りになることも多いです。例えば、3ヶ月に一度、「最近音はいかがでしょうか」、演奏者に対して「改善されたと喜んでおられますよ」などと、一声かけてあげたら、気にしているスタンスが伝わり、効果が継続します。

 

管理規約・使用規則改正の総会上程

もしも対策が効果的でない場合や住民の不満が解消されない場合には、より強力な対策を検討することもあります。例えば、特定の時間帯にピアノ演奏を禁止するなど、厳格な規制を導入することが考えられます。

●理事会は、管理規約・使用規則改正を通常総会に上程することとなります。

住民コミュニケーションの大切さ

以上のような方法で、ピアノの騒音に対応することができます。

多いパターン:完全に演奏しなくなることは少ないです。!
演奏者はペダルを使う場合、特に力が入ります。!
音だけにフォーカスしても、ペダルまで抑制するのは困難です。!
時間も守っているし、改善したんだから、少々のことは目をつぶろう。
お互いの幸せのためには、防音室に改装してもらうのが一番です。・・・

 

音の問題は多くのマンションで悩みの種ですが、住民同士のコミュニケーションがとれていたら、解決する事例もおおくあると感じています。!

同じマンションに住む人同士、多少なりとも相手のことを理解し思い合う。顔を合わせたら会釈位しようとか、挨拶を交わそう、そういう気持ちが大切なのではないでしょうか。

理事会は、住民同士の公平性や住民の利益を考慮しつつ、住民同士の良好なコミュニケーションを図っていくことが重要だと感じます。

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