この記事は、以下の人におすすめです。
・子供が、ベランダや窓から誤って転落する事故が怖い、対策を考えたい人
子供が、マンションのベランダや窓から、転落する怖い事故が続発しています。
春先、初夏に多発しているようです。
ここでは、子供の転落事故を防ぐ方法について、説明します。
子供の死因のトップは転落死
平成30年から令和4年までの5年間に、 5歳以下の子ども70人が、住宅等の窓やベランダ3)からの転落により医療機関に救急搬送されているとの調査結果があります。
年齢別では、1歳、3歳、4歳が多く救急搬送されています。また、全体の8割以上は窓からの転落となっています。
1歳から14歳までで転倒・転落死が死因トップです。3歳以上では死因の6割以上を占めています。
行政も対応を呼びかけ支援策を打ち出しています。保護者や周りの方は、悲しい事故が起こらないよう、十分に対応してほしいと思っています。
落ちた原因別に、対処方法をお伝えします。
転落リスクを高めない環境作りが大切
(事例1)網戸に寄りかかる
対策案1
室内の窓の近くに物を置かない
ソファやベッド・椅子等が足場になるので、窓に近い場所にこれらの家具を置かないように配置を工夫する。
窓、網戸、ベランダの手摺等に劣化がないか、点検する
網戸を開けた瞬間、窓枠から外れた経験をお持ちではありませんか?。外れやすくなっていないか、定期的に点検してみましょう。
ヒヤリハットを教訓に
あっ、あぶない!とおもった出来事に「ヒヤリ」、「ハッ」としたりすることがあります。事故が発生する前段階で、何重、何百というヒヤリハットがあると言います。ヒヤリ・ハッとした時、事故が起こらなくてよかったねと終わらせずに、外見は不具合や変な箇所が見つからなかったとしても、チェックすることが大切です。
窓や網戸、扉の危険の兆候
窓などの点検については、製造している会社の安全のための取り組みと住む人の安全のための検査や調査などを行っているNITE(ナイト)も注意喚起をしています。
「独立行政法人製品評価技術基盤機構」は2023年3月23日に、「放置しないで!窓・ドアの危険サイン ~事故に遭わないための点検ポイント~」をリリースしています。
放置しないで!窓・ドアの危険サイン~事故に遭わないための点検ポイント~ | 製品安全 | 製品評価技術基盤機構 (nite.go.jp)
■窓や扉の点検ポイント✅
□ 窓や扉のがたつきがないか。
□ スムーズに開閉せず、重たくなっていないか。
□ 開閉時に異音がしないか。
□ 破損や変形がないか、錆びている箇所はないか。
落ちた原因(事例2)ソファなど足場になるものから窓枠まで登る
対策案 子供の手が届かない高い位置に補助錠をつける
ポイントは、子どもの手が届かない高い位置に補助錠を付けることで、子供が補助錠を外してしまうのを防ぎます。でも、椅子があれば、椅子に登ってしまいますよね。
簡単に触れる位置に取り付けると、仕組みを理解したときには、結局開けられてしまいます。
窓の一番上などの、背伸びや足場を作っても手が届かない位置につけると安心です。
ツマミが外せるなど開錠が簡単でない補助錠を使う
窓の補助錠にはレール(溝)に取り付けるタイプもありますが、この場合はツマミが取れるタイプを使用するのがおすすめです。
ホームセンターやネットで簡単に購入できるだけでなく、設置も特別な工事なしに誰でも取り付けることができるので導入の難易度も低めとなっています。
(事例3)ベランダの手摺につかまっていて、前のめりになって転落
対策案
ベランダには物を置かない
プランター、イス、段ボール、キャビネット等などが足場になるので、できるだけ物を置かないことです。また、エアコンの室外機は手摺の近くに置くのではなく、最低手すりから60cm以上離すようにしましょう。お子様だけでベランダに出ないようにすることが考えられます。
落ちた原因(事例4)ベランダの室外機に登り、手すりを越えて転落
対策案4
ベランダには物を置かない
プランターやイス、段ボールなどが足場になるので、できるだけ物を置かないこと。エアコンの室外機は置かざるを得ないので、室外機を手摺から60cm以上離すか、子どもだけでベランダに出ないようにすることが挙げられます。
【窓やベランダ周辺の環境づくり】
○ベランダの手すり付近に、台やごみ箱など子どもがよじ登れる物を置かない。
○ベランダにエアコンの室外機を置く場合は、手すりから離して設置する。
○窓近くにベッドや椅子などを置かない。
○子供だけでベランダに出ないよう、出入り口や窓には、子どもの手の届かない
位置に補助錠を付ける。
○転落の危険がある、高さの低い腰窓には、転落防止のための手すりを設置する。
○手すりにぐらつきがないか日ごろから点検を行う。
不幸中の幸い 7階のベランダから芝生の上に転落して助かった例
岐阜にあるマンションで、7階のベランダから落ちた子供さんが、奇跡的に助かった例があります。
最初、ご主人とお子様だけでお部屋にいましたが、ご主人が奥様を迎えに行く間、子供さんだけで留守番をしていました。その間約10分間の間に、子供さんがベランダに出て転落したようです。子供さんは、芝生の上に落ちたようです。骨折はしたものの、奇跡的に子供さんは無事でした。
(概要紹介)転落を防止する東京都のリフォーム助成
対象者
東京都内のマンションなどの住宅を所有されている方が対象です。このプログラムは、安全でない生活環境のために怪我をする危険性のある子供のいる家庭を支援するために設計されています。
どのような改修が対象となりますか?
このプログラムでは、潜在的な危険から子どもを守るためのさまざまな住宅改修が対象となります。例えば、ベランダからの転落防止の為フェンスの設置、子供が窓を開けられないようにするための鍵の設置、挟み込み防止機能付きのドアへの交換などです。
補助金はいくらですか?
1世帯あたり30万円を上限として、改修費用の3分の2が補助されます。
申請方法
補助金の申請を希望される方は、お近くの区役所にお問い合わせください。
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