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モンスタークレーマーに翻弄されたマンション管理組合の悲惨な末路と、そうならない為の対策

あくのつよい60代くらいの男性 維持と修繕
このイラストは本文中の登場人物とは何のかかわりもありません。
この記事は約12分で読めます。

この記事では、一組合員が、理事会を取り仕切り、私利私欲に走り不正を働き、そして悪事が発覚し、理事長を退任後も、モンスタークレーマーになり、マンションの住民を不幸に追いやった事案をご紹介します。

理事長就任中、管理組合の印鑑と通帳を預かっているのをいいことに、管理費を横領し、組合発注工事を癒着している業者に受注させキックバックを受けるなど、不正を働きました。

理事長職を退いてからも、後任の理事長と結託し、強引に自分に利益誘導を図る行為を行う等、組合運営を妨害し続けました。まさにモンスタークレーマーです。
その結果、資金が不足した管理組合は築後30年経っても、大規模修繕工事を一度も行えませんでした。

組合員がマンションを売却しようにも、修繕が出来ず老朽化が進んだ状態では、数百万円と安値で売却する他なかったのです。

こうなった原因は、もちろんクレーマー自身が悪いのですが、その人間をのさばらせ影響を排除できなかった住民(管理組合)の対応如何で展開も変わってきたと考えられます。

記事のところどころで、「こうすれば展開がちがった点」を説明しています。

明日は我が身です。悲劇で終わらせず起こったことを反面教師として、再発を防ぐための痛い教訓にしていただきたいと思います。

この記事の種類は?
入門的 ★★★★☆(4.0)
重要度 ★★★☆☆(3.0)
難易度 ☆☆☆☆(1.0)

この記事は以下の人におすすめします。
・理事長が長期間就任しているマンションにお住まいの方
・クレーマーに困っているマンションの組合員の方

事の発端は、一人の組合員が理事長に就任したことから始まります。

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10年以上理事長に就任

地方都市の市街地に建つ住戸数40戸程の分譲マンション(仮称:Oマンション)の住民(仮称:K氏)は、約10年間、理事長に就任していました。

就任中、K氏は独裁的に権力をふるいます。Oマンションの住民が大人しいためか、何をするにもその人が決め、文句がでないか、出たとしても理事長権限で推し進めていきました。
やがて、K氏が理事会を取り仕切り、修繕工事をK氏に任せる体制が構築されてきました。
こうなってくると、K氏の行為はだれにも止められなくなり、やがて暴走していくことになります。
何でも理事長の一存で決めることができ、だれも文句を言わない。このことは、スピィーディに物事を決め実行できる面もありますが、反面、チェック機能が失われていくことを意味します。

✅教訓:理事長は定期的に交代する仕組みを作っておく

理事長が長期間就任する場合、管理組合にとって良い面悪い面は以下の通りです。

良い面:スピーディに意思決定がなされる傾向にある。

最初の頃は様々なトラブルへの対応や修繕工事のこと等理事会で民主的に決定していました。
就任2年目が経過し、K氏以外は役員就任1年目の新人ばかり、そうなると、次第に理事長の考えが理事会で主導的になり、意見を言えば、他の役員も同調するようになります。
意思決定がスムーズに運び理事会運営もスピーディに進みます。

悪い面:一存で決められやすく、時が経つにつれワンマン体制となりやすい。

合議制であるはずの理事会が、いつの間にかK氏理事長のワンマン体制変わっていきます。ちょっとしたトラブル等、理事会を通さずK氏が始末をするようになります。次第に10万円くらいの工事ならK氏が一存で決めてしまう等、K氏が理事会の権限を握るようになります。
そして2年目、ほぼK氏の考えで決めた議案が上程され承認されます。さらに3年目、経験を活かしK氏が理事会で意見を言えば他の理事も同調していく。いつのまにか理事長のワンマン体制ができていきます。

良い風にリーダーシップが発揮されるのは歓迎すべきことですが、廻りの意見が耳に入らず、権限を振るうようになると危険です。

理事長を交代させるおススメ方法

理事長就任期間を最大2年とする等規約を改正する。理事長の裁量で行える範囲を管理規約で明確に決める(工事金額10万円以内等)、役員輪番制を原則とし例外を限定する監査役を機能させ権限バランスをとる等、同じ人が長期間理事長に就任しない、不正を見逃さない体制づくりをしていきましょう。

監事は、理事長に代わり総会を招集する権限がある等、うってつけのお目付け役です。

✅教訓:気づいていても「面倒だから関わりたくない」は危険

「任せておけばよい」は危険! 意味もなく理事長職にしがみつく、やめたがらない等危険な兆候があり、
組合員だけではどうにもならないとわかった時点で、外部専門家を招聘するのも一考

弁護士、建築士、マンション管理士等マンション管理に関する専門家派遣サービスを利用するのもよいでしょう。
市町村から無料派遣するマンション管理士派遣事業制度もありますので、お住まいの地域で調べてみてください。

✅異変を感じたら管理会社に相談しましょう。

管理会社は身近な相談相手です。事情を把握してアドバイスを貰えるかもしれません。

住民・役員・管理会社が無関心であればあるほど、理事長は独走しがちです。

組合預金口座から多額のお金を横領、修繕工事のキックバック

最初は、少額の工事を理事長の知り合い業者に頼んだのがきっかけです。工事費は、理事長が持っている管理組合の口座から支払います。
ところがK氏は、受注した謝礼に、工事業者からキックバックを受ける様になりました。
また、管理事務室に日用品や掃除道具を備える為と称し、管理費を自分で使うようになります。
領収証を付けているものもありますが、領収証も無い使途不明金が増えていました。
いつの間にか、理事会では、工事をK氏の紹介した業者に受注させることも常態化していきました。
他の理事や組合員が無関心で、興味がなかったのでしょう。K氏は安々と私腹を肥やすことができたのです。

そんなK氏にもいよいよ、審判の日が来ます。収支報告を受けた理事会で、疑念が起こった理事が追及したところ、管理組合口座から多額のお金が引き出されていたことが分かりました。
役員らが、K氏に問いただしたところ、お金を引き出した事実を認めました。
役員の間で話し合いが行われ、警察に被害届を出すかどうか話し合われました。

結局、引き出されたお金の一部は返金されました。真相はわかりませんが、「返金すること・口外しないこと」が、役員らとK氏の間で話し合われたと推測されます。
役員らは警察へは届け出ることはせず、横領し返金した事実は、役員以外の住民にも公開されませんでした。

同時期に管理会社も変更となります。しかし、工事代金のキックバックについては闇の中です。
もちろん工事業者も黙っていますし、本人も口をつぐんでいます。

K氏は理事長職を辞任し、一組合員に戻ります。

✅教訓:同じ人が銀行印と預金通帳を一緒に持たないこと!

管理組合の運営では、お金の入出金が頻繁に発生します。
通常は、管理会社が預金通帳を持ち、理事長は届け出印鑑を持ちます。そうすることで不正な入出金を相互牽制するのですが、時折このケースのように、印鑑と通帳を両方持っているケースがあります。自主管理の場合、概ねそうでしょう。預金口座は管理会社が持ち銀行印は理事長が持つ等、相互チェック・責任分担・相互牽制を働かせる体制を構築しましょう。
自主管理の場合であっても一人の役員が印鑑、他の役員が通帳を持つ等、相互チェックを働かせる体制を構築して下さい。

管理会社が4回も変更になった理由

管理会社も煩いクレーマーやハラスメントを理由に、手間のかかる管理組合については、自ら解約を申し出る時代です。
とはいえ、通常であれば管理会社が4回も変わるでしょうか。?
●1回目の変更理由は、管理会社がこのような独裁体制に異議を唱えたため、当時理事長であったK氏の逆鱗に触れた為
●2回目の変更理由は、管理会社がこのような独裁体制に異議を唱えたため、当時理事長であったK氏の逆鱗に触れた為
●3回目の変更理由は、K氏の不正が発覚し防ぎきれず信頼を損なった為と、体制一新を図る為。
●4回目の変更理由は、大規模修繕工事をやれてないことや、モンスタークレーマーの存在で組合運営が立ち行かなくなった為

住民も、よきに計らえとばかりに、管理会社変更議案を承認してきたのでしょう。
しかし!頻繁に管理会社が変更されるに至れば、住民もここは普通のマンションではない!何かある! と疑わなければいけません。

✅教訓:管理会社が変更されるのは裏がある、吉兆か凶兆かを見極めよ

上の例でも、変更1回目、2回目の変更で危ない予兆はでていましたが、住民に詳細は知らされていませんでした。
住民サイドで、真剣に原因究明を行うべきでした。総会の場で発言する、理事会に具申する等、方法はいくらでもあったはずです。

K氏退任後も理事会関与は続き、不安定な理事会運営が続く

K氏退任後も管理組合の不幸は続きます。

傀儡理事長の誕生

K氏退任後に、新しい理事長が選ばれました。めでたく新たな理事長となって再出発するのですが、理事長の様子がおかしいのです。発生する工事をK氏との癒着している工事会社に発注させようと工作します。
K氏と新しい理事長の間に、申し合わせあるいは癒着関係があったと思われます。

✅教訓:理事会運営に不安な場合、監事を使う

監事の権限を使うようにしたらどうでしょうか。業務監査、会計監査する方法があります。場合によっては、臨時総会で理事長交代を決議することも検討してもよいでしょう。

迷走する組合運営修繕方針・リーダーシップ不在

無計画な修繕を続けた結果、大規模修繕工事を行えない状況に陥る

次々と修繕案件が上がってきます。「屋上漏水」、「外壁タイルの浮き・爆裂」、「タワーパーキング設備の改修」
・・・次々と不具合が発生するのには訳があります。計画立てて修繕を行えていないことです。
不具合・異常が発生してから事後的に修繕し、修繕計画に基づいた維持修繕がなされなかったのです。その結果、建物の劣化が進行し、修繕が不十分なまま放置されることとなりました。
築20年を超え、排水管改修や昇降機リニューアル等は行ったものの、構造躯体の維持管理に大きな影響を及ぼす大規模修繕工事は行われませんでした。

✅教訓:長期修繕計画は維持修繕の要、必ず立てておく

維持管理をしていく上で長期修繕計画を立てることが最優先です。揉めるようであれば、外部の建築会社等の専門家に依頼し作成してもらう方法がよいでしょう。

修繕費が不足し、いつまでたっても大規模修繕工事が実施できない

行き当たりばったりの修繕工事を繰り返したことで、修繕積立金は、大規模修繕工事が行えるほど積み立てられていませんでした。

 

修繕積立金が不足し、大規模修繕工事ができないは本当?
管理会社から、工事費用が不足しており大規模修繕工事ができない、●借入しましょう ●修繕積立金を上げましょう ●一時金を徴収しましょうと説明された場合、工事施工会社、建築設計事務所、マンション管理専門家派遣サービス等を利用する方法もあります。

 

✅教訓:有志で構成する修繕委員会で、立て直しを図る

理事会だけではどうにもならない場合、修繕委員会を立ち上げましょう。修繕委員会は理事会の外部諮問機関で、組合員の中から選出します。
修繕委員の集まりのなかで意見を集約し、理事会に諮問することで理事会は、修繕委員会の意見を踏まえたうえで意思決定することができます。
修繕委員会の設立には、「総会決議」が必要となります。

本件に限らず、修繕積立金不足に悩む組合は多いです。大規模修繕工事を実施するための資金を確保するためにいくつかの解決策をご紹介します。

修繕積立金の増額

修繕積立金の増額は長期修繕計画の見直しと併せて検討するとよいでしょう。総会決議を経て実施することが可能です。

ローンの利用

銀行や金融機関からの融資を利用できます。工事の実施に不足する分を借り入れ、返済計画を立てることで工事を実施できます。
注意点:積み立てられた修繕積立金の一部が借入返済に回ります。大規模修繕工事以後の修繕計画を練り直す必要があります。

一時金の徴収

住民全体に追加の負担を求めることも考えられます。例えば、特別会費や追加の修繕積立金を徴収することで、工事に筆必要な資金を確保できます。
注意点:組合員全員が追加負担に了承しないケースが多いことです。

工事範囲の見直し、業者公募

大規模修繕工事に必要な費用を抑えるために、工事の範囲を見直すことも一つの解決策です。優先順位の高い箇所から修繕工事を実施し、他の箇所は将来の修繕にまわすなどの方法があります。また、工事仕様を決めたうえで業者公募する等、工夫してみてください。

いずれの解決策を選択する場合でも、管理組合やオーナー全体の合意と協力が重要です。専門家の助言を仰ぎながら、最適な方法を検討してください。

築30年で売却価格暴落

モンスタークレーマーの存在により、マンション管理組合は大きな悲劇に見舞われました。思うように修繕がなされず、住民たちは生活の質が低下していきます。住民たちは不満や苦痛に苦しめられることになります。

建物の維持修繕が適切になされず劣化が進み、住民の生活環境が悪化したマンションの市場価値が維持される訳はありません。築30年で数百万円という低価格で売りに出されることとなりました。購入価格の10分の1程の例もあります。

マンションでクレーマーがモンスター化する理由

分譲マンションでモンスタークレーマーが生まれやすい理由はいくつかあります。

・管理組合はフラットな組織の為、言いたいことは気兼ねなく言いやすい反面、罰則や制裁はなく、歯止めが利かないことがクレーマーを増長させる

・管理組合員の大多数は物言わぬ権利者で、一部の声の大きい人の意見に流されやすい面がある

学校に対しての生徒の保護者(PTA)や、住民自治会に対する住民のように、クレーマーはマンションの中に当然います。

しかし、クレーマーであっても区分所有者には変わりませんし、管理組合へ意見を述べることができます。またクレームがエスカレートする歯止め役が必要ですが、理事会は1年交代、組合員の大多数は無関心であったり、事なかれ主義であったりと、クレーマーを抑える抑制効果は働きにくい環境です。
また、管理会社は、顧客(カスタマー)である組合員を諭す、言い聞かせる、説得させる役回りには不向きです。

管理組合の縮図とも言える総会の場はどうでしょうか。クレーマーの采配次第で審議がひっくり返るケースが往々にしてあります。
正当な審議がなされた結果ならともかく、一部の人が延々と演説をする。嫌気をさした住民が早期に終わってもらおうとクレーマーの意見に同調する。その結果、クレーマーの思惑が実現する。それが益々クレーマーを増長させ、影響力を増しモンスター化していく。私はそのようなマンションをたくさん見てきました。

これが、一般企業の株主総会の場であればどうでしょうか?
個人株主が意見を表明しようにも(仮にしたとしても)事前投票で結果が分かっており、議決過程は形骸化していますから、効果は薄いでしょう。

人災がマンションを駄目にする

1人の不徳な人間が行ってきたこと、それに対して適切な手を打てなかったがために、マンションを駄目にした例です。

適切な対応をする機会はありましたが、行えなかったことが結果的にマンションを駄目にし、住民を不幸にしました。

マンションは自治が大事ですが、声を上げる一部の人対サイレントマジョリティ(物言わぬ組合員)で、声を上げる一部の人が発言権を持ちやすい危うい組織であると言えます。
また、第三者管理でない限り、管理会社も口出しはしない(立ち入れない)のが通例です。

後講釈ではありますが、住民の中で一肌脱ぐ人が現れないのならば、早い時期に、第三者管理(管理会社やマンション管理士による管理)をし、パワーバランスを変えた方が良い事案でした。

 

最後まで読んでくれて、ありがとうございました。感想、疑問、指摘などなんでも結構です。是非コメントをお願いします。(↓です) 今後の運営に生かしていきたいと思います。

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