動物アレルギーで体調が悪くなった。ペット飼育禁止のマンションで管理組合がとった行動とは? 

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マンションのペット飼育問題はマンション生活の3大トラブルの一つとなっています。
ペットの飼育を許可していないマンションで何がトラブルの原因になっているかというと、
〇飼ってはいけないのに飼っている。
〇飼っていることだけでなく、騒音、糞尿の残置、臭いが発生し、住民に迷惑をかけている。
〇そのことで住民からクレームを受けている。

等です。
既に飼っている人は、愛着もあり飼っているのをやめられない。他の住民は迷惑を被っている。
ペット飼育問題に困っているマンションは多いです。また問題が表面化していなくても、単に周りの住民が我慢しているだけということもあります。
いずれにしても、ペット飼育問題は、解決が難しいことが往々にしてあります。この記事を見て、解決のヒントを得てもらったらよいかなと思っています。
併せてトラブルの予防策もお伝えしたいと思います。

この記事は、以下の方に向いています!
・(ペット飼育不可のマンションにお住まいの方で)、無断ペット飼育が問題となっているマンション管理組合役員・理事の方
・(ペット飼育不可のマンションにお住いの方で)ペット飼育を許可してほしいと要望を受けている理事の方

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動物アレルギーで体調が悪くなった。クレームを受けた管理組合の行動

管理会社を通じてこんな連絡が入りました。

困った住民

住民A

隣の住民が無断でペット(犬)を飼っています。自分は動物アレルギーで体調も悪い。エレベーター内も消毒してほしい。本人に厳しく注意してください。管理会社からももっと言って、詳細な報告をしてほしい。

これに対して、理事会、管理会社は、警告文や手紙等で本人に告知するものの、ペット飼育をやめるには至りませんでした。

理事長

飼育を止めて下さい。困っている人がいます。

飼育者

(コメントなし)

 

面談を希望します。

体調不良により欠席させてください。

 

 

 

その間何度も、当事者との面談を打診するも断られ、本人へのアプローチが約1年半続いたようです。しかし、結局ペット飼育を止めませんでした。

こうすれば展開が違った

無断でペットを飼育したことで飼育者本人と周囲の入居者の人間関係に悪影響を及ぼす例です。
警告後に無断飼育者が何もアクションを起こさず、面談を断られた段階で、次の手として住民アンケートを取る等して、この問題を重要視している姿勢を見せることも重要だったのでしょう。
そして、それでも解消しなければ、管理規約に違反を理由に法的措置を検討している等、解消に向けて本気で取り組む姿勢を見せます。

また、理事会による飼育禁止、立ち入り検査が可能な場合、行い本気度を訴える方法もあります。

ペット飼育をめぐる現状

数十年前と今とでは、マンション内の住民がペットを飼うことに対する考え方が大きく変わりました。
竣工当初はペットの飼育を禁じていても、規約を改正してペットを容認したマンションがある一方、現行の規約を尊重して禁止したままのところ、規約は禁止しつつも、マンション内のペット飼育者で組織される「ペットクラブ」に加入し、同階や上下階など近隣住戸からの反対がなければ、目をつぶるといったところ、などさまざまです。

動物の好き嫌い、飼育動物の多様化

ペットは人によって好き嫌いが分かれます。例えば、猫が好きな人と猫が嫌いな人がいます。生理的に受け付けず嫌いだという人、猫アレルギーで体調が悪くなる人もいるかもしれません。犬を飼う場合でも、大きな秋田犬とチワワでは、食べる量、鳴き声、ゲージ等の飼育設備が全く異なります。

最近爬虫類を飼う人も増えてきました。小型のフトアゴヒゲトカゲ等が人気がありますね。鳴き声も臭いもないので一見迷惑をかけませんし、家の中だけなら問題がないと思いますが、大型のトカゲや蛇を飼っていたらどうでしょう。とても怖い思いをする人もいます。

リスやウサギ・フェレット・などの小動物等、ペットショップをみれば、飼う動物が多様化しているのがわかります。
このように人間以外の動物が、同じマンションにいることは、とても問題を複雑にしているのですね。

悩みは深い、無断飼育の解決法

「ペット無断飼育問題」について管理組合(理事会)はどう対処すればよいのでしょうか。
大抵のマンションでは管理規約でペット飼育できるか、できないか決まっていますので、規約違反を指摘するのは簡単です。

ですが、規約違反を承知の上で、飼っている場合がやっかいです。

●禁止されているのに、あの人はペットを飼っている

住民が気付き、理事会に報告し、問題が発覚します。
当の本人は、これくらいいいだろう、言われるだけで罰則もないし、他の住民に迷惑(鳴き声、排泄物、臭い等)をかけた覚えもないし、いいんだろうと思い、飼育を継続します。

しかし、他の人にとって見れば、迷惑をかけようがかけまいが、決まりを破って平気な人が許せないのです。このマンションに住む限りは決まりを守ってほしいのです。

無断飼育の解決方法

ペットの無断飼育を止めてもらう方法は以下のとおりです。通常管理組合の執行機関である理事会が方針を定め、管理者として理事長が行います。また、理事会から委任を受けた管理会社が代理で行う場合も多いでしょう。

飼育者への連絡・通知・警告

まず、本人に通知するのが多いケースでしょう。
「〇〇さんは、管理規約〇〇条に違反しペットを飼われています。飼育を止めて下さい」
これで、飼育を止めてくれれば、スムーズに終わった方ですね。

飼育者との面談

警告、連絡をしても、応じてもらえない場合、面談を申し込みましょう。話し合うことは大切です。何を飼っていますか?。どのくらいの期間飼っていますか?、住民さんでご連絡を受けていますよ。ご心配されています。手放せない理由はなんですかなどと、飼育者本人とコミュニケーションをとることができれば、状況を把握し、対策を立てやすくなります。
その際、手放すことについて話し合って下さい。いつ、どのように手放されるのか、聞いておき、記録しておきましょう。

ペットを手放してもらう手法

もし、手放す日や方法を決めることができないケースでは、以下の方法をアドバイスしてみてください。

里親探し

里親探しにも時間がかかる場合が多いです。
理事会としても、スムーズな引き取りの為、フォローしていくよう伝え、特に本人の試していない方法、「インターネットの里親探しサイトの紹介」「動物病院で予防接種を受けさせたり、飼育アドバイスを行った後引き渡すなど」検討してみるよう本人にアドバイスするのもよいでしょう。

飼育者側の事情を考慮する
●ペットの健康が心配だ。
●かわいそうで保健所に渡せない、
●生活環境が変われば生きていけるのだろうか、大切に飼ってくれる人を探したい等

ペット飼育者の心配は多くあります。また、離れ離れになることの辛さもあるでしょう。手放したくないと思う気持ちもよくわかります。

本人の事情を把握した上で対応するのがよいでしょう。

飼育しているペットの飼育期限を設ける。

ペットを飼うこと自体が禁止されていることを断った上で、譲歩策として飼育期限を設ける方法があります。
口頭ではなく、一筆取る等行い、本気の約束であることを見せるのも重要です。

一代に限りの飼育を認める

  • 飼育しているペットのみ、一代限りの飼育を認める。もちろん繁殖は認めません

これは最大の譲歩策です。もし認めてしまえば、実質上ペットを飼うことを認めることになり、他の住民も同じように飼う人が出てくるかもしれません。どうしても飼うのを止めてくれない場合、例外として取り扱うことを他の住民に説明の上実行するのがよいでしょう。

無断飼育の防止のために

ペットの飼育問題は、飼育者の事情によっては解消に手間取る場合があります。また、管理組合が本腰を入れて取り組まず放置した結果、複数の住民が真似をして飼うことで、マンションの管理運営にも影響を及ぼす可能性があります。1戸の飼育が発覚した場合、まずは掲示、警告を行い、管理組合(理事会)が放置しない姿勢を心がけましょう。

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