マンションのベランダで布団を干したい! そう思っている人は多いと思いますが、干し方によっては、禁止されていることも多いです。
そこで、今回はマンションのベランダで布団を干すことについて、駄目な理由やこうしたらできる代替方法について解説していきたいと思います。
また、実は布団の落下によるトラブルより、布団を止めておく洗濯ばさみの落下によるトラブルもおおいことも、事例を踏まえてご紹介します。
この記事は以下の人に向いています。
・ベランダで布団を干したい いい方法を探している方
マンション住民と管理会社社員との会話
いい天気♪ お布団を外に干して天日干しするか、太陽の光に当ててフカフカの布団で寝たいし。ベランダに布団を持っていって干そうと思うの。問題ないですよね
ちょっと待って下さい✊ このマンションではベランダで布団を干すのを禁止しているんですよ
えーそうなんだ。どうして?
使用規則で禁止しているからです。
禁止している理由の一つが、美観を損ねるからです。他の人が、ベランダに布団を干しているマンションを見て、あそこのマンションは周りの目を気にしない人が住んでいるんだって思われますよね。
後は、布団の落下や器具の落下による事故を防ぐ必要があるからです。
ふーんそうなんだ。でも干せたら良いですよね。何かいい方法はないの?
ベランダで布団を干せるのか?
答えは、マンション毎に定められている管理規約集(使用規則・使用細則)にあります。
ご自分の住んでいるマンションはどうなっているかは、それぞれ確かめてみてください。
マンションの使用規則・使用細則を見てみましょう。
こちらは、よくある使用規則・使用細則の文例です。名称はマンション毎に異なりますが、「建物使用規則」などの名称が使われています。
よくある建物使用規則・建物使用細則の文例
第●条 専有部分及び専用使用部分の使用
〇〇マンションの各専有部分の所有者及び占有者ならびにその家族は、当該専有部分および当
該専用使用部分の使用にあたり次の行為をしてはならない。
・・・
1⃣ バルコニー・ポーチ・アルコーブに突風、強風の際、飛散または落下等他に害をおよぼ
すおそれがあるものを放置すること
2⃣ バルコニー・ポーチ・アルコーブの手摺又は窓枠に寝具、敷物、洗濯物等を干すこと
3⃣ バルコニー等(手すりを含む)に寝具、敷物、洗濯物を干すこと。
上記の規則は、建物の外観の美観を保つためや、寝具等が落下し他の住人の迷惑にならないようにするために設けられています。
それでは、各条文の意味を見ていきましょう。
1⃣ は全て禁止するパターンです。しかし、「放置」なので、洗濯物を干すように、ベランダの中で布団を干すことは禁じられていませんが、何日間も放っておくことはできませんね。
2⃣ は手摺又は窓枠に干すことを禁じていますので、ベランダの中で布団を干すことはできますね。
3⃣ は、バルコニー等(手すりを含む)となっていますので、窓枠を含むベランダのどこであっても
干すことを禁じていると判断できます。
このように、文章のニュアンスより、禁止の度合いが異なります。今まで見てきたことをまとめると以下のように判断できます。
●使用規則(細則)の文面により、若干ニュアンスは異なりますが、概ねベランダや窓枠等の建物の外側に、寝具を干すことを禁止していると解釈してよいでしょう。
●しかし、ベランダの内側については、容認されているものの、建物の外には変わりないため、飛散や落下など他の住民や近隣に迷惑をかけないよう要請にとどめると判断できる場合もあります。
ベランダで布団を干すときに気をつけたいこと
部品の劣化や衛生面などハード面
ベランダの内側に物を干すことができる場合でも、周囲の状況によっては注意が必要です。例えば、強風や部品の劣化、衛生面の問題などが挙げられます。
特に、高い位置に物を干す場合は、安全に留意する必要があります。洗濯物が手摺の高さを超えると、風で飛ばされる可能性が高まってきます。
周囲の環境や他の住人の意見も大切です。例えば、布団が風で他のベランダに飛び、下の階や一階、又は近隣の住戸に飛ぶ可能性があります。また、布団の雑菌やホコリが他の住人のベランダや洗濯物に付着する可能性もあります。
次に実際にあった例を見てみましょう。
布団の落下・洗濯ばさみの落下等、実際にあった事例
これは、十分あり得ることです。毛布のような軽い材質ならともかく、布団が、6階から落下すれば、物干し台を壊すことは十分想定されます。人身事故ではなくて不幸中の幸いでした。
何階の住戸から落下したかは結局最後まで分からずじまいでした。マンション管理組合で加入している保険の個人賠償責任を申請することになりました。洗濯ばさみが軽量の場合であっても、車の天井を凹ますくらいの衝撃があります。また、凹みまでいかず、傷をつけることもありますね。
洗濯ばさみも、このように、金属製のものが飛ばされると、凹みや衝撃が大きければ塗装の剥がれが発生します。
この件は、マンション管理組合で加入している保険を申請することになり、加害者本人の負担分を肩代わりしました。
蛇足ですが、マンションにより、個人賠償責任保険の適用範囲は異なります。布団を干したのは加害者本人なのだから、加害者が全て補償すべきだと考えの管理組合(マンション)もありますし、一方管理組合でせっかく個人賠償責任を付保しているのだから、保険で出る範囲で加害者の負担を肩代わりしてあげようという管理組合(マンション)もあります。
8階から物が落下すると、1階にあるものは相当衝撃を受けます。人身事故ならなかったのが、幸いでした。高層階になればなるほど、強風が吹きます。また突然の突風で洗濯物が飛ばされることもあるでしょう。気をつけたいですね。
近隣配慮などソフト面
洗濯物や寝具を干すことが許可されている場合でも、他の住人のプライバシーに配慮し、洗濯物を目立たなくするための工夫をすることも重要です。ネットやカバーを使用したり、洗濯物を近隣に配慮した形で干すなどの方法があります。
見る側も見たいわけではない場合、不快に感じることもあります。人に見られて不快に思わないよう、干す方法を工夫してみてください。・ネットを掛ける、仕切りや衝立を使う。
・近隣の人と心やすければ、普段の何気ない会話の中で、それとなく確認してみる。
天候に注意し、風の強い日や時間には干さないようにする等してみてください。また部屋に日が差す時間帯に部屋干しする、人気が多い朝、夕を避けるなど干す時間帯を変えてみてください。
布団には雑菌やホコリが付着している可能性がありますので、周囲の住人の洗濯物に付かないようにするためにも、布団を干す前にしっかりと換気を行い、布団自体も定期的に洗濯することが大切です。
ベランダでの布団干しが許可されていない場合の代替策
もしベランダでの布団干しが許可されていない場合、代替策としては以下のような方法が考えられます。
室内干しをする
室内干しをする際は湿気対策にも注意しましょう。
コインランドリーを利用する
コインランドリー利用は下記メリットがあります。
他の住人に迷惑をかけずに布団を乾かすことができる。
一度に多くの洗濯物を乾燥させることができるため、時間を節約することができる。
(自宅で布団を乾かす場合、一枚ずつ乾燥させる必要がありますが、コインランドリーでは一度に複数の布団を乾燥させることができるため、効率的に乾かすことができる)
専用の洗剤や柔軟剤がそろって、必要な分だけ使える場合もある
さらに、コインランドリーでは専用の洗剤や柔軟剤が揃っている場合があります。自宅では必要な量をそろえるのに手間がかかるかもしれませんが、コインランドリーでは必要な分だけ利用することができます。
また、コインランドリーでは洗濯機や乾燥機が最新のものが揃っている場合があります。自宅の機械が古くなってしまった場合には、コインランドリーを利用することで効率的に洗濯物を乾かすことができます。
自宅では困難な大量の洗濯物や布団を効率的に乾かすことができる
周囲の人々との利用料金や利用時間の調整などに注意しながら、便利に利用することができる
まとめ
今回は、ベランダや窓枠で布団を干す場合の注意点をまとめてみました。結構大変ですよね。一戸建てなら気にしないことでも、高層で共同生活では、ベランダ内に迷惑を掛けず干すこと、部屋干しをすること、コインランドリーを利用する等、工夫しないといけないことがわかりましたね。
皆様のより良いマンションライフの一助になれば幸いです。
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